Disc

10/03/15|Yeasayer
Odd Blood(Mute)
10/03/03|Vampire Weekend
Contra(XL)
10/01/24|Best of 09
09年ベスト:40枚 by キャプテン
10/01/21|My Personal Best 2009
2009年心に残った音楽―トップ10
09/12/31|My Personal Best 2009
2009年心に残った音楽―その③(年間ベスト10編)
09/12/25|My Personal Best 2009
2009年心に残った音楽―その②(トップ30編)
09/12/22|My Personal Best 2009
2009年心に残った音楽-その①(次点、再発、ライヴ編)
09/12/07|Fuck Buttons
Tarot Sport(ATP)
09/11/01|Zoey Van Goey
The Cage Was Unlocked All Along (Chemikal Underground)
09/10/26|The Flaming Lips
Embryonic(Warner Bros.)
09/10/03|Muse
The Resistance(Warner Brothers)
09/09/28|Yo La Tengo
Populra Songs(Matador)
09/09/26|The Temper Trap
Conditions(Infectious)
09/08/25|Generationals
Con Law (Park The Van)
09/08/01|Arboretum
Song of the Pearl(Thrill Jockey)
09/06/18|Dirty Projectors
Bitte Orca(Domino)
09/06/09|Blackbud
Blackbud(Independiente)
09/06/05|The Horrors
Primary Colours(XL)
09/05/26|Subplots
NightCycles(cableattack! records)
09/05/20|Grizzly Bear
Veckatimest(Warp)
09/03/10|The Pains of Being Pure At Heart
The Pains of Being Pure At Heart(Slumberland/Fortuna Pop!)
09/02/25|Barney Bubbles
Reasons To Be Cheerful(Adelita LTD)
09/02/17|Various Artists
Dark Was The Night(4AD)
09/02/13|Higamos Hogamos
Higamos Hogamos(DC Recordings)
09/02/07|Empire of The Sun
Walking On A Dream(Capitol)
09/01/28|Animal Collective
Merriweather Post Pavilion(Domino)
08/12/31|My Personal Best 2008 Vol.4
極私的年間ベスト―④
08/12/30|My Personal Best 2008 Vol.3
極私的年間ベスト―その③
08/12/29|My Personal Best 2008 Vol.2
極私的年間ベスト―その②
08/12/28|My Personal Best2008 Vol.1
極私的年間ベスト―その①

2009/12/22

My Personal Best 2009

2009年心に残った音楽-その①(次点、再発、ライヴ編)

1年を締め括る「年間ベスト」の時期が来ました!まずは、ベスト40にもーちょっとで達さなかった作品、およびリイシューとライヴのパーソナル・ベストです。

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2009 Honorary Mentions/次点(アルファベット順)

A Place To Bury Strangers--Exploding Head(Mute)
マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの名作EP群=「You Made Me Realize」「Feed Me With Your Kiss」の視界を塞ぐ轟音、そしてループの〝死ね死ねダーク・サイケ〟な世界観だけで突き進む強引なアルバム。ミキシングのレベルも相当暴力的で(アルバム後半は、ヘッドフォンで聴く時は要注意!)、よく分かってらっしゃいます。その一徹なところが好きだが、アルバムとしては一本調子でもあり、もうちょっと幅がほしいところ。

Atlas Sound--Logos(4AD)
ディアハンターでのツアーの合間を縫って、各地のモバイル・スタジオでレコーディングされた・・・という作りのせいか、聴いた瞬間顔がフニャ~ンと溶けてしまうほど美しい曲もあるものの、各曲のクオリティのバラつきは否めない。しかし、パンダ・ベアとの「現代のピーター・パン2人」によるデュエット的ファンタジア掌編「Walkabout」は今年のベスト・トラックのひとつ。

Beak<--Beak< (Invada)
腰が重めなチーム・ポーティスヘッドの中でもひときわ元気な若頭:ジェフ・バロウによる、地元ブリストル勢と結託した新プロジェクト。クラウト・ロックの根源的なモトリック・ビートというのはとにかく気持ちが良く、ノイ!とかぶっちゃけ(美味しい炊き立てのご飯にはおかずが要らないように)エンエン聴いていられるわけだけど、そのピュアな快感だけをすぱっと抽出し、自分達の午前2時の実験工房に解放したごとき大人な作品~それでいて曲はタイトに書かれているところはさすが。ポーティスヘッドの「サード」から始まったクラウト・ロック&シルヴァー・アップルズ熱が、ホラーズそしてこの作品へと昇華した、とも言えるかもしれない。しかし、ジェフがめっちゃ楽しそうにドラムを叩きまくるライヴ(かわいいっ)を観た方が、このバンドのアナログな魅力ははっきり伝わると思います。

Black Moth Super Rainbow--Eating Us(Memphis Industries)
前作がすごかっただけに、この作品は(期待しすぎのせいもあってか)やや拍子抜けではあった。エフェクトでぐにゃぐにゃに歪曲したヴォーカルとアナログ・シンセの醸すボヨョョ~~ンとしたトーンがなんとも麗しくかつ煙い「Twin of Myself」など、好きなのだが聴き進めるにつれて・・・一本調子になってくる。とはいえ、ドラッギー&ドリーミィな中にも筋を通せる、名手デイヴ・フリッドマンのバランス感のあるいい仕事ぶりを感じさせる作品でもある。MGMTがリップスだとしたら、このバンドはさしずめマーキュリー・レヴなのかもしれない。

Blank Dogs--Under And Under(In The Red)
素顔は見せず、ライヴはお面やシーツを被って演奏・・・という摩訶不思議ちゃん男の仕切る、基本的には宅録なポップ・バンド。音源のリリース元にしてもWoodsistにIn The Redなど、コロコロと変化。その評判のライヴはチャンスを逃しっぱなしでまだ観ていいのだが、ガレージmeetsポスト・パンクなツボを抑えた音作りの巧みさ、モノクローム・セットのビドを思わせる無表情なぶっきらヴォーカル、リリースの被りなど全然気にしないランダム&アングラな動き方など、スキモノにはたまらないユニットです。ヴィヴィアン・ガールズ、クリスタル・スティルツらが協力したこの作品もいいけど、12インチ「The Field」もお勧め。

The Bronx--Mariachi El Bronx(Wichita)
LA発のおバカ(でも好き★)なパンク・メタル・バンド=ザ・ブロンクスのなりきりマリアッチ・アルバム。東LAという出自を反映し、バンドのメンバーが仲良しというチカーノの雄ロス・ロボス組(ロス・ロボスのメンバーの子供達はパンク・キッズだったりする)から教示を得ただけに(?)、作品は本格的な出来&(歌詞はともかく)サニーで歌えるメロディは無条件に楽しい。

Cymbals Eat Guitars--Why There Are Mountains(CEG)
バンド名には数歩引かされたが、えいっと蓋を開ければ素晴らしく・・・エモだった(でもフォール・アウト・ボーイじゃないど!)。エピックな1曲目なんてもろにビルト・トゥ・スピル~モデスト・マウスのラインだし、ガレージのニヒルとは違うはっちゃけぶりでコーラスをぶっちぎる若さ、しゃくりあげ気味な歌いっぷりが90年代アメリカン・インディの匂いむんむんで泣けます。しかしギター・バンド一辺倒ではなく手数は多彩で、ピアノやホーンで味付けしたルーツ・ロックやリリカルなインディ・ポップ風まで、やや散漫ながら、単なるエモ・コアのフォロワーに留まらい心意気は買う。どこに向かうのか、楽しみな新人。

Dark Night of The Soul—Dark Night of The Soul(Danger Mouse/Sparklehorse/David Lynch)
デンジャー・マウスとスパークルホースの再度本格コラボ、というだけでもむろん即買いだが、ヴィジュアル(=音楽に付随したコーヒー・テーブル本)をデイヴィッド・リンチが担当~ゲスト・ヴォーカル陣にウェイン・コイン、グリフ・リース、ジェイソン・ライトル、ジュリアン・カサブランカス、イギー・ポップ、ジェイムス・マーサー、ヴィック・チェスナットら(偶然とはいえ)筆者の好きな歌い手がどかっと結集した、こりゃもう夢のコンセプト・・・なのだが、デンジャー・マウスの所属レーベルから「そんなプロジェクトの話は聞いてないよ~」の横槍が入り、音源発売はブロック。本の巻末にくっついたCDRは、噂どおりほんとに空でした。とはいえネットに音源はもうリークしていた=実質世に出てしまっていたわけで、このプロジェクト自体が一種確信犯的なデンジャー・マウス流のゲリラ・イベントだったのか?とすら映った、不思議なリリースでもあった。しかしまあ、リンチまで引っ張り出してシャレ、はないだろうけども。
アルバムはマーク・リンカス色が全体的に強く出ていて(嬉)、細く頼りない声のウェインやジェイソンはやはりごく自然にハマってる。また、ここでのコラボをデンジャー・マウスとジェイムス・マーサーのBroken Bells前哨戦と見ることも可能なのかも?リンチの手掛けたヴィジュアルは絵ではなく写真集で、ウィリアム・エグルストンとフランシス・ベーコンが混じったような奇妙なナイトメア・ヴィジョンをクリエイト。そのリンチのヴォーカル曲が、実は一番良いかもしれない。

Dave Rawlings Machine--A Friend of A Friend(Acony)
ギリアン・ウェルチの公私にわたるパートナーとして知られるデイヴ・ローリングス。そのギリアンも全面参加した初のソロは、やはりなんの不安もなく「おまかせ!」で聴き通せる優れたカントリー/フォーク・アルバムになっている。ギター、上手すぎや。ライアン・アダムスとのコラボ名曲「To Be Young(is To be Sad,is To Be High)」、そしてコナー・オバーストとニール・ヤングのメドレーなど、カヴァーにもにんまり。

Dead Man’s Bones—Dead Man’s Bones(ANTI)
ゴスなハロウィーン・パーティの記念写真めいたジャケットも楽しい、総勢30人以上(?)のミステリアスなユニット。正体はインディ俳優ライアン・ゴスリングもメンバーなバンドだそうで、要らぬセレブ・ファクターを排除するための、この匿名なのかもしれない。ジャケのシアトリカルな印象を裏切ることなく、楽曲もクリスマス・キャロル風からクルト・ワイル、アーケード・ファイア的コーラス、ロシア民謡調まで多彩かつそれぞれストーリー性が高いものになっていて、じわじわハマる作品。シルヴァーレイク子供合唱団を全面にフィーチャーしているからだろうか、イールズのEがラングレー・スクール・ミュージック・プロジェクトとコラボしたごとき内容になっているのも個人的にポイント高し。

Girls--Album(Fantasy Trashcan)
メンバーのひとりはカルト教団の中で育った・・・という逸話が一部の話題をさらった、サンフランシスコ出身の2人組。そのリード・ヴォーカル君のヘリウム混じった風変わりな綿アメ声がこのバンドの好き/嫌いを分ける第一関門になるだろうが、ビーチ・ボーイズからフィル・スペクターまで、西海岸ポップのサニーで健康~カラフルな表層(裏はかなり爛れてますが)に逃避しない限り、この子には救いがなかったのかなあ・・・と感じずにいられないほど、その無邪気な歌声は逆に切なかったりする。初めてMGMTを観た時並みにライヴがヘっぽこだったので、それがトータルでのマイナス評価に繋がってしまったけど、そのダメさも含めて(偏)愛されるタイプのバンドだろう。

Mayer Hawthorne--A Strange Arrangement(Stones Throw)
これはもう、トッド・ラングレン作品をしこたま聴いてきた宅録ちゃんなんだろうなあ・・・と想像するに難くない、ミシガン発のオールドスクール・ソウルな白人ボーイ。どのメロディもビートも「んー、どっかで聴いたことがある??」と既視感を呼び覚ますとはいえ、ピーナツ・バター・ウルフを魅了した博覧強記な編集センスと細部へのこだわりは、たとえばマーク・ロンソンをもうちょっとアングラ寄りにしたもの、と言えるかもしれない。自分で歌うより、もしかしてプロデューサー体質?ともあれ、シュギー・オティスとかカーティスなど、60~70年代のスウィートなフォーキィ・ソウル~洗練されたメロウ・ポップ好きには一聴の価値あり。

White Denim--Fits(Full Time Hobby)
ミニットメン系の80Sハードコア~マス・パンクを今に鳴らすテキサス産パワー・トリオ、あっという間のセカンド。あちゃらかなビート、ぶいぶい暴走するベース、泣きまくりのギター。相変らずテクは冴えていて(ほんと、ライヴ最高なバンドです)、プロのスタント・マンの運転する車の助手席に同乗し、急カーブを切る妙技&スピードを味わうごときスリルはこのバンドならでは。プログレやハード・ロック、中近東風メロディなど一筋縄でいかない音楽性の幅(ごちゃまぜぶり?)も堅調だが、アルバム後半に突如登場するソウル調インスト(タイトルが「Sex Prayer」ってのは苦笑だが)やバラッド(!)が意外とハマっているのにはびっくり。

The XX--XX(Young Turks/XL)
鳴り物入りのデビューだったし、よっぽどすごい作品なのだ、聴かなくちゃ・・・と聴いたが、一度としてコードを鳴らさないギター等々、削ぎ落としたプロダクション(=バンド自らのプロデュース)は確かに耳を引く&完成度が高いとは思うものの、いい曲もいくつかあるとは思うものの、いまだハマれていない・・・→→トレンドに追いつけてない。やばいっすね(汗)。しかしカタルシスのない思春期的懊悩だったら、自分は(古いと笑われても)ギャラクシー500の「Today」を聴くだろうな。あのアルバムは〝ディナー・パーティのBGMミュージック〟になり得ないが、「XX」は(かつてのポーティスヘッドのように)こじゃれたヒップ・ヤングの集まりに重宝されるタイプの音楽ではないだろうか。別に悪いことではないけども。ヤング・マーブル・ジャイアンツやザ・キュアーを引き合いに出されているが、彼らのメロディそのものに自分はむしろデペッシュ・モードや初期ティアーズ・フォー・フィアーズ、更にはブラック(!)を思い浮かべた。その意味でも、とてもウェットでイギリス的なバンド。そういやこのアルバムに「Heart Skipped A Beat」という曲があるが、タイトルからジャック・オディアールの「The Beat That My Heart Skipped (De battre mon cœur s'est arrêté)」を連想。エンド・ロールにザ・キルズのマジー・スターもろパクり/でもいい曲=「Monkey 23」が流れていて印象的だったけど、うーむ、もしかしてこのバンドは筆者にとっての第二のキルズ(=感性が自分のそれに近く、ネタ元が分かりすぎるだけにかえって恥ずかしい。ソフィア・コッポラ同様、一種の不条理な近親憎悪です)になるのか・・・?と感じてしまった。

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Reissues/再発作品

Nick Cave&The Bad Seeds/Digital Remasters(Mute)
Kraftwerk/Reissues(Mute)
The Feelies--Crazy Rhythms&The Good Earth(Bar/None)
The Raincoats—The Raincoats(We THRee)

どれもポップ・ファンにはマストな作品なので、この機会に買い/買い直しましょう。

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Live/ライヴ・ベスト
Sam Amidon/David Thomas Broughton@Bush Hall
Dirty Projectors@Taylor John's House/Coventry
Jeffrey Lewis@Komedia/Brighton
Crystal Stilts@Barden’s Boudoir
Sleep@All Tomorrow’s Parties(VS Fans)/Minehead
The Soft Pack@100Club
Ornette Coleman@Meltdown Festival,Royal Festival Hall
Neil Young@Hyde Park
Blur@Hyde Park
Beach House@Greenman Festival
Dirty Three@Greenman Festival
Wilco@Greenman Festival
The Feelies@All Tomorrow’s Parties/NY
Grizzly Bear@The Barbican
Yo La Tengo@The Roundhouse
The Flaming Lips@The Troxy
Stephen Malkmus&The Jicks@Komedia/Brighton
Julian Casablancas@The Forum

今年もいいライヴをたくさん経験できて幸せ(特記以外、すべてロンドン)・・・どのライヴもほとんど当サイトでレヴューしいていますが、抜けているライヴについて軽くコメント。
①ブラー@ハイド・パークは、雑誌の仕事で運良く行けたんですが、ブラーの集大成&00年代にも聴き次がれているのを肌で感じてマジ泣けた。その頃同雑誌のコラムで「〝オアシスVSブラー再び〟なんて言われてるけど、自分個人にとっては<ブリットポップ戦争で負けた>とされるブラーの音楽の方が意味がある」という主旨の原稿を書いたら、そのちょっと後にオアシスからノエルが脱退してびっくりした。引き際がドロドロしてるのはどうも苦手なので、自分たちできっちりケジメをつけたブラーはやっぱりいいなあ、と。
②:フレーミング・リップスの11月ロンドン公演は、今年はサマーソニック出演もオール・トゥモローズ・パーティーズ回もレヴューしたし、今回くらいは仕事を忘れて純粋にファンとして楽しもう!とメモ帳もデジカメも持たず吹っ切れて楽しむために行った・・・んだけど、新作「Embryonic」からの曲を(ここ最近自分が観た中では)一番たくさんプレイしてくれたギグで、も~~~~最高にグルーヴィ&コズミック!ストロボ・ライトの光量も、ドライアイスの焚きっぷりも半端なし(しまいにステージすら見えなくなってたぞ)!(爆笑)。
アルバムからのリード・トラック群はもちろんだけど、「See The Leaves」とか比較的地味な、しかし非常に好きな曲を演奏してくれたのも嬉しかったな。いつものようにぼんぼん風船が場内を飛び跳ねるシチュエーションだったけど、ウェインが「・・・新作からの曲を演る時は、どうもバルーンが雰囲気に合わない。悪いけどみんな、風船を破裂さえてくれないかな」とMCしたのも我が意を得たり(ブーイングも起きたが、順次風船が割られていった)。ブツ切れとは思わなかったが、新作からの楽曲はやはりバンドも一番プレイしていて楽しそうだったし、「Convinced of The Hex」みたいなサイキックなジャムは、コンサートという90分なり2時間なりの枠に押し込むのはちょっとかわいそう。跪いてマラカスと銅鑼を無心に叩きまくるウェインも、子供あるいはコントロールの効かないやんちゃな動物みたいだったもんな。素敵だ。
ロンドンで観ることの嬉しさは、リップスのヒストリーを共有しやすいから、というのもある。単なる偶然だが、筆者が初めて彼らのライヴを体験したのは93年:イギリスにて。この頃からリップスの欧州人気は高かったし、たとえば「ザイリーカ」再演ライヴの地としてロンドンが選ばれたのも、そうした背景が少なからず作用していたんじゃないかと思う。その長年のUKファンからのサポートへの感謝として、バンドは「She Don’t Use Jelly」をプレイ。この曲は今のウェイン自身は「他愛ない曲」と割りと否定的なのだが、この日集ったオーディエンスには年季の入ったオヤジ&オバハンも多く(ティーンの娘・息子同伴も多く見かけた。いいなあ、子供とリップス観戦なんて)、90年代初期曲もサービスしなければ~ということなのだろう。どの時期のリップスも好きだが、「Transmissions From The Satellite Heart」そして「Clouds Taste Metallic」に思い入れが強い自分には、こういう配慮は最高っす。この晩ウェインは「イギリスのファンが『ソフト・ブレティン』を高く評価してくれたのを感謝」とも語っていたけど、それを聞いて、噂になってる「ソフト・ブレティン」全曲再演が実現することを祈らずにいられなかった。とはいえ、この晩の最大のハイライトはスティーヴンがヴォーカルをとる「Pompeii Am Gotterdammerung」だった。前作「~ミスティックス」収録のこの曲は最新作の世界観とも難なく融合するグルーヴ重視のトラック、にして途轍もなく美しいメロディは、今こそライヴで熟してますよ!というわけで、来年リップスを観る機会があったら、万難を排して見てくださいね。


2009/12

M T W T F S S

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