Live

10/07/18|Roxy Music@Lovebox Weekender
17July2010/Victoria Park
10/07/15|Perfume Genius
13July2010/Hoxton Hall
10/07/01|Jeff Tweedy
30June2010/Union Chapel
10/06/30|Here We Go Magic,Grizzly Bear@Serpentine Sessions
28June2010/Hyde Park
10/06/27|Dirty Projectors with Alarm Will Sound
25June2010/Barbican Centre
10/06/06|Beach House
1June2010/Heaven
10/05/26|Randy Newman
19May2010/Royal Festival Hall
10/05/19|All Tomorrow's Parties2010--WK2 curated by Pavement
16May2010/Butlins,Minehead
10/05/19|All Tomorrow's Parties2010--WK2 curated by Pavement
15May2010/Butlins,Minehead
10/05/17|All Tomorrow's Parties2010--WK2 curated by Pavement
14May2010/Butlins,Minehead
10/05/12|All Tomorrow's Parties2010--WK1 curated by Matt Groening
9May2020/Butlins,Minehead
10/05/12|All Tomorrow's Parties2010--WK1 curated by Matt Groening
8May2010/Butlins,Minehead
10/05/11|All Tomorrow's Parties2010--WK1 curated by Matt Groening
7May2010/Butlins,Minehead
10/05/01|Coachella Festival Day3
18April2010/Empire Polo Fields,Indio,CA
10/04/27|Coachella Festival Day2
17April2010/Empire Polo Fields,Indio,CA
10/04/25|Coachella Festival 2010--Day1
16April2010/Empire Polo Fields,Indio,CA
10/04/24|Coachella Festival 2010
コーチェラ・フェスティヴァル2010体験記:その①
10/04/23|Stuck in LA...
10/04/13|Rain Machine
12April2010/Village Underground
10/04/03|The Besnard Lakes
31March2010/Cargo
10/03/08|John Cale and Heritage Orchestra performing Paris1919
5March2010/Royal Festival Hall
10/02/20|Beach House
17Feb2010/Bush Hall
10/02/17|Tune-Yards
15Feb2010/Cargo
10/02/11|Vampire Weekend
5Feb2010/De La Warr Pavillion,Bexhill on Sea
10/02/05|The EX
03Feb2010/Tufnell Park The Dome
10/01/30|Midlake
28Jan2010/Tabernacle
09/12/17|Julian Casablancas
16Dec2009/The Forum
09/12/15|All Tomorrow's Parties 10th Anniversary
11-13Dec2009/Butlins,Minehead
09/12/15|Graham Coxon
28Nov2009/Barbican Centre
09/12/02|Patrick Wolf
15Nov2009/Palladium

2009/09/22

Green Man Festival

22Aug2009/Brecon Beacons,Wales Day2

Emma Tricca
The Strange Boys
The Phantom Band
Jonny(Norman Blake+Euros Childs)
Robyn Hitchcock(L)&Joe Boyd(R)
Beach House
Grizzly Bear

<2日目>
土曜日も基本的に晴れのち曇り、な陽気でフェス日和としては順当。サイト内のレコード屋めぐりで時間を潰しつつ、この日見た一番手はEmma Tricca。イタリア生まれ~現在イギリスを拠点にするこのSSWはジョン・レンボーンやロイ・ハーパー(!)に認められ、デビュー作はアンディ・ヴォーテルのFinders Keepers経由・・・ということで、午後早くにGreen Man Pubに向かう。お客はパブ開店と共に一杯、が目当てが多かったが、ジョーン・バエズを思わせる清楚な弾き語り、途中からバンジョー奏者、更にはフル・バンドを伴っての演奏とヴォリューム増大。しかし彼女自身の歌声と空気を縫うメロディは耳を奪わずにいられない凛とした力を秘めていて、その世界が今後どうなるか、成長を見守りたくなった。そのままMississippi Witchを見たが、バットホール・サーファーズ的カオスを交えたストーナー・ガレージ・ロックという感じで、さほど新鮮味はなし。
続いてFar Out Stageに移動し、お楽しみその①The Strange Boysを観戦。Vivian Girls、 The Oh Shees、Jay Reatard他筆者好みのリリースが続いているIn The Redからアルバムが出たばかりの彼らだが、いやはや!1967年で時計が止まったごとき出音は抜群!こういうストレートなガレージ・パンクはどのフェスでも大抵受けがいいものだけど、スタンデルズ~ザ・シーズを思わせるアクの強いヴォーカル、キンキンにテンパったギター・サウンドと課題を100%クリアしている。しかしファズやディストーションに寄りかかることなく、あくまで主役は歌で、曲調もサーフからドゥーワップ、ブルースまで幅広く凝っていて飽きさせないし、しかもヴォーカルの表現力(ブルース・ハープも達者)が豊か。というか、見ているうちにこのリーヴァイス501+ぶかぶかのカーディガンという出で立ちのシンガーに、誰かがだぶってきた・・・そう、リー・メイヴァーズ!アメリカの今の若いバンドだけに、ザ・ラーズからの影響を指摘するのはまったくのお門違いかもしれない。けれど、サウンドの構成成分、そしてグルーヴのある演奏は間違いなくサン・ディエゴよりもマージー・サイド。盤で聴くよりもライヴがいいタイプ、というのもよく分かった(音の躍動感が、断然生の方がベター)。めっけもののバンドである。

Woe is You And Me--The Strange Boys

スコットランドの注目株アート・サイケ・バンドThe Phantom Bandをメイン・ステージでしばし観戦。ピアニカやギターをフィーチャーした6人組で、簡単にはカテゴライズしにくい音なんだけどなんだかハマった。ダークでありつつ、プレイそのものに重々しさやシリアスさがないところ~メロディのひねくれ加減(少しだけ初期のフレーミング・リップスを彷彿させる歌もあり)は、ベータ・バンドやクリニックといったネオ・サイケデリック派と通じるものがある。メンバーはアート学生上がりだそうだし、コンセプトや遊び心がこのバンドのポイントなのかもしれない。開催前にはNorman Blakeとの名義で出演アナウンスされていたが(どっちのノーマン・ブレイクか?と一瞬迷った・・・このフェスなら年上のノーマンもあり得るし)、元ゴーキーズのエイロス・チャイルズとのデュオ・ユニット=Jonnyとしてセカンド・ステージに立ったのは、サマーソニックで元気な姿を観たばかりだったTFCノーマン。彼がスツールに座ってアコギを引く傍らで、エイロスが立ったままキーボード&アコギ、という編成だ。ウェールズということで、エイロスあるいはグリフは下手したらパフォーマーとしてではなく客としてサイトのどこかにいるだろうな~と思っていたので、やはり嬉しい(ちなみにこの日のFar Out Stageは、他にCate Le Bon、Richard Jameも出演)。良心的音楽ファンに支持されている両者だけにお客の入りも良く、訥々と紡がれる枯れた味のアコースティック・ポップ(CSNあるいはサイモン&ガーファンクルに、ヘボい漫談チャットが加わったというか)は昼下がりのひとときにぴったり。恐らく「商業的成功」とかは一切視界にない趣味的プロジェクトなんだろうし、ある意味両者のキャラの良さがあってこそ成り立つ内容とも言える。しかし声のハモりは美しいし、「Ursula’s Crow」などで聞かせたエイロスならではの哀メロとノーマンの甘いギターの絡みはやはり泣かせる。06年以来レコーディングを続けているそうで、アルバムはうまくいけば来年には出るそうなので、ファンはお楽しみに~。
続いて、この日筆者にとっての最初のハイライト!ということで文学テントに急ぐ。音楽に関する本はそれなりに読んできたつもりだが、中でも自分内ベストの1つである「White Bicycle」を、著者Joe Boyd本人が朗読するのだ。しかも、ロビン・ヒッチコックの伴奏付きです★ ハーヴァード大在学中にフォーク/ブルースのコンサート・プロモートを始め、エレクトラ・レコーズのUK支局勤務、UFOクラブ(ピンク・フロイド他がしのぎを削ったアンダーグラウンド・クラブ)の企画運営を経て、アイランド傘下のプロダクション会社=Witchseasonを立ち上げたジョー・ボイド。そんな彼だからこそ、50年代USフォーク・リヴァイヴァルからサイケ、そして70年代ブリティッシュ・ロックの諸相までをヴィヴィッドに、かつ愛をこめて回顧できたと言えるし、彼の元から巣立ったインクレディブル・ストリング・バンド、フェアポート・コンヴェンション、そしてニック・ドレイクらの音楽に興味がある方~のみならず60年代カルチャーに少しでも魅せられたことがあるなら、「White~」は絶対に読んで損はない本だ。
ミーハー丸出しでステージ前方の椅子に陣取った筆者、うわー本物だ!と興奮しまくり&カメラ小僧に成り下がってしまったが、グリーン・マン登場は2度目とあってごま塩ロング・ヘアのジョー・ボイド(ベンチャーで一発当て、いまや悠々自適なお父様といった趣き)はリラックスした様子。拍手の中マイクの前に立ったジョーは、挨拶の後ロビンをイントロ。それを受けたロビン・ヒッチコックは、自らを「ジョー世代の音楽から生み出された、自分はたぶん最後のクチだろう」と謙遜気味に称して、これまたナイスです。両者はグリーン・マンの前にロンドン:バービカン・センターで開催されたインクレディブル・ストリング・バンドのトリビュート・コンサートに揃って登場したばかりだそうで、ジョー・ボイド自身から「このフェスの後、インクレディブルズの旧作をリマスターしにスタジオに行きます。デラックス再発は来年だから、あせって今買わないように!」とのお達しが発せられた(笑)。内容は、ジョー・ボイドが自ら選んだ章から、パッセージの一部を朗読~そこに取り上げられたアーティストの楽曲を、続いてロビンがアコギでカヴァーする、という趣向。あの本はもう3回以上は読んでいるので表から裏まで記憶しているつもりだが、著者本人の思いがこもる朗読で聞くとまた格別な味です。
ピックアップ&カヴァーされたのは①インクレディブル・ストリング・バンド(「Chinese White」)、②ボブ・ディラン(「Hard Rain」)、③ザ・ムーヴ(「I Can Hear The Grass Grow」)、④ニック・ドレイク(「River Man」)、⑤シド・バレット(「Bike」。シドだけは、本からではなくジョー・ボイドが新聞に寄せた追悼記事からの抜粋)。イベントが始まるまでは「なぜロビン・ヒッチコック?」という思いも正直あったし、ロビン自身「ザ・ムーヴの曲を覚えてくれ」とジョーから指示を受けてびっくりしたとも言っていたけど、アコギ1本でフォークからポップまで弾き歌いこなす彼のパフォーマーとしての否定しようがない力量、そしてカヴァーする対象への愛情はこのミニ・アコースティック・セッションにいいヴァイブを与えていた。各章はいずれ皆さんに読んでいただくとして(個人的には、ボブ・ディランとジョー・ボイドとの出会いのパートが笑えて好きです)、ロビン・ヒッチコックのカヴァーでハマっていたのは、スコットランドの冬の情景が浮かんでスウィートそのものだったISB、歌詞にうならされたディラン、そしてシド・バレット。シド・バレット、そしてジョン・レノンはロビン・ヒッチコックにもっとも大きな影響を与えたアーティストだから、当然かな。ニック・ドレイクは、ジョー・ボイドの朗読こそいまだにエモーショナルで胸が詰まったけれど、カヴァーするのは難しいものですね。誰がやっても。

日も落ちてきて、後半戦のトップ・バッターはボルチモア発サイケ・トリッパー:Beach House。現在サード制作中と言われる彼らは、女性1男性2の編成~打ち込みを軸に生ドラム、エレキ、キーボードでシンプルに点描、空間を活かした燐光型の音作りとアンニュイなメロディがおくゆかしくも美しいバンドだ。以前フリート・フォクシーズの前座で観た時は、端整なもののソウルに欠けるところが物足りなくもあったが(メロディがストイックなので、一種クールに聞こえてしまうのだ)、この日は情感の波と地に足の着いたグルーヴがハモっていたし、リヴァーブたっぷりのギターが醸すロマンチックな流曲線にはうっとり。すっぽり吸い込まれてしまう、そんな琥珀色の音場を生み出していて素晴らしかった。ツアー経験を重ねて、自信がついたのもあるだろう。秀逸だったのは「Apple Orchard」、そして教会音楽の荘厳な響きとニール・ヤングの泣きが融合したごときラスト曲。オーディエンスもすっかり胸打たれ、熱い拍手を送っていた。マジー・スターとよく比較される彼らだが、ヴィクトリア・ルグランのある意味中性的ですらある歌声は、このバンドに蠢惑というよりももっと切なく、不可解でかすかに埃っぽい、あの幼年期の記憶をも与えている。プルーストやトルーマン・カポーティが浮かぶその情趣は、やはり盟友Grizzly Bearと一脈通じるものがあるかも。

Beach House--Heart of Chambers

ヴィクトリア・ルグランが終演間際に「次のVetiverも見てね!ここ1週間くらい一緒にツアーしてるけど、とってもいい人達よ」とMCしていた・・・が、すまんアンディ!ということでメイン・ステージのGrizzly Bearに移動~。サマーソニックでも観たのだが、彼らは何度観ても飽きないのです。前日のアニマル・コレクティヴ同様この人達も今のライヴ・サウンドのトーンは「水」なんだけど、1曲目の「Southern Point」からもー、思いっきりユラユラしてますっ!しかもアレンジは微妙にトロピカル度を増していて、オス・ムタンチスにすら聞こえる場面も・・・美しい、が、クリス・テイラーのベースの音が今回も序盤割れ気味なのは不服。エフェクトかけすぎやで、あんた。そこから「Cheerleader」で深い海にたまゆら潜っていった後、この晩のハイライト:「Lullabye」に突入。オートハープをいとおしげに抱えたダンの傍らで、クリス・テイラーが送り込むクラリネットとフルートの秋風。黄昏の灰色雲を内包した音のタペストリーが、徐々に膨らんでいく。見えない亡霊に語りかけるようなダンの物悲しい歌声は、前衛ジャズなドラム・ビートが緻密に構築したガラスの浮き彫りに「Chin Up,Cheer Up・・・」のコーラスで細かなヒビを入れていく。体中に鳥肌が立つほど、素晴らしい演奏だ。「Veckatimest」曲もいいのだけど、やはり「Yellow House」曲の今の〝熟れっぷり〟はたまりません。その思いを更に裏付けたのが、続く00年代屈指のソウル・ソング「Knife」で、彼方に明滅する船の灯りに似たサウンド(クリス・ベアの手ドラムも、デリケートに柔らかくて最高)にスウィングしていると、もう会えない誰かに思いが漂っていしまい困ったもの。
コーラス・ワークの神々しさとは裏腹に、インスト部での激しいクラッシュが刺さる「Fine For Now」の後、「Two Weeks」ではお待ちかね!エドの「今僕が一番好きなシンガーです」との紹介つきでBeach House
ヴィクトリアがステージに登場(>フェスの同日出演なら絶対共演するはず!とめちゃ楽しみにしていた・・・我ながら小さい望みですけども)。モリー・リングウォルドみたいなファッションが似合っててなんとも愛らしかった彼女のコーラスは、このうららかなミニ・ポップ・シンフォニーに更なる軽みを与えていて、場の雰囲気を朗らかにリフト・アップしてくれた。エドのフェミニンな歌声が泣かせる「Ready,Able」も良かったが、後半のベストはやはり「While You Wait For The Others」と「On a Neck,On a Spit」のダン曲2連発。どちらも彼の実に男臭いヴォーカル(この声の質感、願わくば四六時中聞いていたい安全毛布的引力があってやばい)の包容力が生きる曲ながら、前者はエドの清廉な歌声とのコントラスト、後者はメンバー全員のコーラス・ワーク&一丸となってのパワフルな演奏に酔わされました。ぜひやってほしかった「He Hit Me」も「Colorado」も、「I Live With You」も含まれていなかったけど、この音の磁場とハーモニー、精密なバランスはやはりこの4人にしか出せない。10月のロンドン・シンフォニック共演コンサート@バービカン・センターがますます楽しみになってしまった。

すっかり放心気味で芝生の上にダァーッと寝転がっていたが、続いて今グリーン・マンの「特別ゲスト」=Bon Iverで起き上がる。この人は大好きなんだけど、ここ1年ライヴの内容が毎回ほぼ同じ(MCすらあまり変わらない)。なので、新機軸がなければ観なくてもいいか・・・などと不遜なことを考えてもいたのだが、まずは観客の期待・渇望感にびっくり。出番が近づくにつれてロック・コンサート並みの手拍子&歓声が生まれて、これまでのこのフェスのノリとガラッと変わったのには驚かされた。ボン・イヴェールでこんな熱狂的なリアクションが起きる国は、イギリスだけだろう・・・。しかし、そのはちきれんばかりの期待をすんなり受け止めてしまうボン・イヴェールことジャスティン・ヴァーノンの歌声はやはりすごい。蜘蛛の吐く糸のように繊細に震える歌声が夜闇に響き始めた途端、その微かなきらめきを一瞬とて逃さぬべく、広いフィールドを埋め尽くした観客が沈黙に包まれてしまったのだ。野外フェスで、こんな光景なかなか出くわさないぞ。「Skinny Love」の痛みに心の中で泣いている(ように見えた)〝グリーン・マンの良き人々〟を後に、セカンド・ステージのトリ:Andrew Birdを観に行く。しかしこちらもかなりの集客(過去3年ほど英ツアーを地道にやってきた成果が実ったね)だったので、ステージの隣りで行われているキャンプ・ファイアを囲みつつ鑑賞。最新作からの「Sociopath」で軽やかに幕を開け、「Effegie」他人気曲の連打にお客も盛り上がっているし、フル・バンド(全員黒のスーツ姿でかっこいい)の演奏はソロ公演の数倍ロッキンで、迫力とディテールへのこだわりを兼ね備えた演奏に圧倒された。もちろん彼のギター/ヴァイオリン/ループを駆使してのソロ・ショウもため息ものの素晴らしさだけど(来日公演、皆さんぜひ足を運んでくださいね)、彼の緻密なアレンジを具現化する力量を持ったバンド・メンバーとの化合っぷりはまた格別だ。

メイン・ステージのオーラスは、〝イギリス人の心のアイドル〟ことJarvis Cocker。筆者もパルプ「His’n Hers」の頃から好きな人だし、最新作かっこいい~と知人も絶賛だったので足を向けたのだが、登場!と思いきや前方客にキャンディをばらまく、は?節分豆まき?なイントロはなんだか肩透かし(ギャル客はきゃあきゃあ喜んでいたが)。1曲目からあのおなじみ:柳腰クネクネ・ダンスでノリまくりだったので、ガツンとライヴに突入してくれればいいのに。にしても、46歳とは信じがたい体型と動きのしなやかさだ。以前読んだインタヴューで、「取材場所に現われたジャーヴィスは、〝ダイエット中だから〟とヨーグルトを注文」ってくだりがあったのには感動したものだが、隠れた努力をしています。タフさを増した新作「Further Complications」からの「Angela」が続いたが、ガリっとガレージ・ロックな演奏のバックとジャーヴィスとの呼吸がどうも合っていない・・・自分達にもロックできる、と証明したくて今回のアルバムをアルビニと作ったそうだが、ロックに対する批評的な距離感~斜に構えた視点、いわば音楽ライター的センスが身上である彼が正面切ってロックをやるのは、ちょっと無理があるのか。それに、こうした音では特に、ニック・ケイヴと比較したくなるってもんだし(ジャーヴィスもきっと、彼の今の立ち位置に憧れているだろう)、そうなるとニックの持つ圧倒的なカリスマ~ステージから音楽と観客を「俺の世界」に引き込みいいようにコマンドするエネルギーに対し、いまだ自分の音楽的な立ち位置を見極めようとしているごときジャーヴィスの線の細さに勝ち目はない。この人はスターに憧れてスターになった人だが、それゆえどこかで自身に対する自信がないのかもしれない。それはもちろん彼の人間的な魅力でもあるのだが、これだけのキャリアと年齢でいまだに迷っているとしたら、逆に切ない。モリッシーくらい、自分だけの世界に入り込んでしまえば楽じゃあないだろうか?
ボウイ調のグラムなスペース・ポップ曲「Leftovers」でやっと彼のウィットに富んだ物語性とロック・サウンドが融合して、やはりこの人はパルプの頃から70年代のベタさが似合うなあと思ったし、その〝エロい中年〟的世界観と相まってナイス。が、そういうのにしたって、ごつい先達としてレナード・コーエン、そしてセルジュ・ゲンズブールがいるわけで、ジャーヴィスがスリージィなオヤジ詩人道を追求していくつもりなら、もっとエゴをぶちまけてもいいと思う。自意識に苛まれ、ダイエットしている間は男は本物の男にはなれないのかもしれません。うーむ、過渡期?これならジャーヴィスの裏=ネオ・フォーク好きの間で話題だったGolden Animals、そしてインディっ子が結集していたDent Mayを観れば良かったかもしれない・・・。


2009/09

M T W T F S S

01 02 03 04 05 06
07 08 09 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

Archive

Topics